IPG Ready Stripに関する質問集

質問 ID: 1555

[IPG ReadyStrip] 等電点電気泳動が終了したIPGストリップを2次元目に展開せずに、色素染色することは可能ですか?

回答

Bio-Safe CBB G-250でIPGストリップを染色することができます。
染色時に酢酸とメタノールを使用するCommassie Brilliant Blue R-250、および銀染色はお勧めいたしません。
これらの色素で染色すると、pHグラジェントを形成している物質の影響でバックグランドが高くなります。

・IPGストリップの染色方法
1) IPGストリップのゲル面を上にして、きれいな乾いたブロッティング用フィルターペーパーの上に置きます。

2) 1)で使用した同じサイズのブロッティング用フィルターペーパーに、精製水を染み込ませます。静かにIPGストリップの上に載せ、乾いたブロッティング用フィルターペーパーで挟んだ状態にします。

3) IPGストリップ全体に上から力を加えます。この際、ゲルを押し潰さないように注意してください。

4) フィルターペーパーをはがします。

 上記1)-4)の操作により、IPGストリップの表面に残ったミネラルオイルを除去し、染色時のバックグランドを下げることができます。

5) 染色液の入った染色トレイにIPGストリップを移し、振とう機で1時間振とうします。

6) 染色液のBio-Safe CBB G-250ステイン(カタログ番号161-0786)はIPGストリップが完全に漬かる程度加えます。

7) 20mM Tris-HCl (pH 8.8) バッファーで10分間、2回脱色します。

なお、染色と脱色の過程でIPGストリップは膨らみ、タンパク質のバンドがゆがみますが、IPGストリップを乾燥させることで、バンドをよりクリアに検出することができます。

8) IPGストリップを保存するため、完全に空気乾燥させます。

 染色過程での低分子タンパク質の拡散が気になる場合、染色前(染色操作5の前)に固定液(4%スルホサリチル酸, 12% TCA, 30%メタノール)で30分間、固定してください。