次のような原因が考えられます。
1)染色前にゲルの固定(酢酸・メタノール)や洗浄(精製水)を実施した
Orioleは染色時にSDSが必要です。
染色前に固定や洗浄を行うと、ゲルからSDSが失われてしまい、Orioleによる染色ができなくなります。
2)オーバーナイト染色など、染色時間が長すぎた
オーバーナイトといった長時間の染色を行うと、ゲルのバックグラウンドが高くなると言われています。
90分を過ぎた時点で染色液から精製水に移されることをお勧めします。
Oriole染色において精製水による洗浄は必須ではありませんが、イメージャーへの汚染を防ぐ意味でも精製水に移すことをお勧めします。また、染色後のゲルは精製水に浸けた状態で、数ヶ月間は大きな蛍光の消失なしに保存可能(冷暗所)と言われています。
3) 染色に用いたトレイが汚れていた
Oriole染色に用いるトレイには、CBB染色などで使用していないきれいなものをご使用ください。
4) 使用したOriole染色液が不足していた
染色に当たってはゲルに対して十分量を使用して(ミニゲルの場合50ml)、振とうしながら染色してください。
5) 染色剤が退色してしまった
Orioleは光に当たると退色していきます。染色中はアルミホイルでトレイごと遮光してください。
6) イメージャーでの撮影時に、UVや蛍光を吸収するようなフィルムにゲルを挟んで撮影した
UVや蛍光を妨げるようなトレイやフィルムを使用しないでください。
7) イメージャーで撮影する際に、露光時間が不足していた
露光時間など最適な撮影条件をご検討ください。露光時間を自動設定にした場合には、もっとも濃いバンドに適した露光時間となり、マイナーなバンドまで検出できないことがあります。