マイクロロトフォアシステムに関する質問集

質問 ID: 3803

[マイクロロトフォア] 分離したサンプル中のアンフォライトを除去するには、どうすればよいですか?

回答

アンフォライトは一般的に800-1200Da の分子量を持ち、タンパク質と弱い電気的結合をし、その量や活性の値を干渉する可能性があります。アンフォライトの除去を行うには、目的タンパク質とのサイズの違いを利用して、次のような方法で除去を行います。

1) 沈殿
硫酸アンモニウム、アルコール、トリクロロ酢酸(TCA)などを加えてタンパク質を沈殿させることで、アンフォライトや他の夾雑物を除去することができます。これらの方法はタンパク質の濃縮にも効果があります。バイオ・ラッドのReadyPrep 2-D クリーンアップキット(カタログ番号163-2130)は、TCA 沈殿を応用して100μl 以下の少量のサンプルを調製することの出来るキットです。

2) 限外ろ過法
簡単で効果的にアンフォライトや他の夾雑物を除去することのできる方法です。この方法もタンパク質の濃縮の効果があります。

3) 透析
サンプルのタンパク質の濃度が濃い場合は、透析によりアンフォライトの除去を簡単に行うことができます。サンプルに1M NaCl を加えて、イオン交換によってタンパク質とアンフォライトの電気的結合を外します。例えば、10×PBS または10M NaCl をサンプルの1/9 の量だけ加えると、塩とアンフォライトがタンパク質との結合の競合します。適切な次のアプリケーションに合わせたバッファーでサンプルを透析してください。

4) 電気泳動
マイクロロトフォアのフラクションをポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE やミニプレップセルなどの分取用PAGE)を行うことでタンパク質とアンフォライト分離します。

5) クロマトグラフィー
ゲルろ過、イオン交換、ハイドロキシアパタイト、アフィニティークロマトグラフィーなどによってタンパク質とアンフォライトを除去することができます。