ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)全般に関する質問集

質問 ID: 407

[PAGE全般] アクリルアミドゲルがうまく固まりません。

回答

次の原因が考えられます。

1)アクリルアミド溶液が劣化している。
アクリルアミド粉末を溶解し、ストック溶液として保存する場合、作成後1ヶ月を目安に使用してください。
これ以上経過した溶液は劣化が進み、適切に重合が進まない可能性があります。
また、ストック溶液の保管は、暗所にて4℃保管が推奨されます。

2)脱気が適切にされていない。
アクリルアミドゲルの重合はフリーラジカル重合で行われます。そのためフリーラジカルをトラップするような酸素などが存在すると重合が阻害されます。そのため予め重合前の溶液を脱気し、酸素を除去することは再現性よいゲルを作成するためにも重要です。
脱気を行う場合に次の点に注意してください。
・水流ポンプで陰圧に引いて脱気を行う場合、真空ポンプを使って脱気する場合よりも脱気効率が悪くなるので、時間を延ばすなどの考慮をしてください。
・脱気時に溶液を攪拌子により回転させることで、脱気効率が上がります。その場合、回転数が速すぎると、逆に曝気する結果になる可能性もありますので注意してください。
・脱気を行う溶液は必ず室温に戻してからおこないます。これにより脱気効率があがります。

3)過硫酸アンモニウムやTEMEDが不足している。もしくは劣化している。
これらの試薬は非常に吸湿性が高く、劣化しやすい試薬です。
次の点に注意してください。
・過硫酸アンモニウム溶液は必ず用時調製で作成する。
・試薬を開封する際には必ず室温に戻してから行う。
・試薬の保管は湿気を防ぐためにもデシケーター内で保管する。

4)試薬の温度が低い
アクリルアミドモノマー溶液等の試薬を冷蔵庫で保存している場合は、必ず室温に戻してから使用するようにしてください。温度が低いと、重合の反応速度も遅くなり、ゲルが固まりにくくなります。