プロティアンIEFセルに関する質問集

質問 ID: 411

[プロティアンIEFセル] 2次元電気泳動で展開したスポットに、縦スジが見られます。改善方法を教えてください。

回答

次の点が原因として考えられます。

1) 等電点電気泳動終了後に、タンパク質の可溶化が維持できていない。
等電点電気泳動後に、タンパク質が可溶化を維持できず凝集を起こしている(等電点沈殿)可能性があります。
フォーカシングの時間を短くするか、キャリアアンフォライトの濃度を0.4%程度まで上げてください。

2) 平衡化が不十分である。
平衡化の時間を最大40分延ばしてください。
また、平衡化バッファーの組成を、SDSの濃度を2%以上にする、還元剤の量を増やす、還元能力の強い還元剤に変更するなどの調製を行ってください。

3) タンパク質量が多い。
タンパク質定量を行い、検出に最適な量のサンプルをアプライしてください。

4) IPGストリップの膨潤が適切ではない。
IPGストリップの長さに応じた適切な容量でIPGストリップを膨潤してください。
また、IPGストリップをセットする際、膨潤/サンプルバッファーが不均一にならないように、IPGストリップを左右に数回スライドさせてください。

5) SDS-PAGEゲルのpHが適切でない。試薬に不純物が含まれる。
SDS-PAGE用のゲルを作り直すか、プレキャストゲルの使用をお勧めします。
ゲル作成用バッファーTris-HClのpHが適正(pH8.8)であることを確認してください。
また、水中に含まれる微粒子が原因となることがあります。水の浄化装置にコンタミネーションがないか確認し、モノマー溶液は0.45umニトロセルロースのフィルターを通してきれいな容器に保存してください。

6) 上部バッファーが漏れている。
電気泳動装置にゲルをセットする際にバッファーが漏れていないかを確認して漏れないように対処してください。バイオ・ラッドのミニプロティアン3セル、ミニプロティアンTetraセルの場合は、ガスケットを水で濡らして充分にガラスと密着させてください。

7) タンパク質が凝集、沈殿している。
サンプルを膨潤バッファーで希釈してください。タンパク質を定量して最適なタンパク質量をアプライしてください。
また、脱塩の時間(Step1)を延ばし、ランピング時に電圧を段階的に上げてください。