質問 ID:4112
[Bio-Plexシステム] どのような原理で、同時に100種類もの測定を行うことができるのですか?
回答

Bio-Plexシステムでは、蛍光色素でラベルされたビーズ上で反応を行います。
蛍光ビーズのラベルの種類が100種類あり、装置内部にはその種類を識別する仕組みが備わっています。

ここで蛍光色素は100種類用いているわけではなく、2種類の色素しか使用していません。ただし、色素の割合と量の違いが100パターン存在します。
例えば色素Aと色素Bが1:1で含まれている場合が番地1で、10:10で含まれている場合は番地100といった要領です(実際の割合は単純ではありません)。

これらの色素は、1つの波長(赤色635nm)で励起され、それぞれが別の蛍光を発します。
Bio-Plex 200システムおよびBio-Plex 3Dシステムの場合はダイオードレーザー(LD)で励起し、それぞれの蛍光をPMTで検出し、数値化します。
(Bio-Plex 3Dシステムでは最大500種類の識別が可能で、101番地以降のビーズでは3種類目の蛍光色素を含んでいます。この3種類目の蛍光色素も同じ波長で励起されます。)

Bio-Plexの各システムでは、この識別用の光源の他に、もう一つ緑色(525nm)の光源を搭載しています。
ビーズ上にレポーターとなる蛍光色素が存在する場合、それが緑色光により励起され、測定対象の量や有無に応じた蛍光強度を示します。

Bio-Plexシステムの装置内では、上述のようにしてビーズのもつ蛍光色素(識別用色素とレポータ色素)の量を検出していますが、ビーズが一つ一つバラバラになっている必要があります。 Bio-Plex 200システムおよびBio-Plex 3Dシステムでは、フローサイトメトリーの要領で、ビーズを一つ一つ検出部に流しながら検出します。

多くのアッセイキットでは、各測定対象に対応する各番地(region)のビーズについて最低50個を識別・検出し、それぞれのレポーター蛍光値の中央値(Median Fluorosence Intencity, MFI)を採用します。
アッセイによっては中央値をそのままデータとしますが、サイトカインアッセイなどの定量アッセイでは、既知濃度のスタンダードからStandard Curveを作成し、サンプルの濃度値を求めます。