免疫沈降用磁気ビーズ SureBeads™に関する質問集

免疫沈降用磁気ビーズ SureBeads™の販売を終了いたしました。どうぞご了承のほどお願い申し上げます。
質問 ID: 4957

[SureBeads] どのような条件でビーズからタンパク質を溶出するのですか?

回答

次のような2通りの溶出方法があります。
ただし、ターゲット(抗原)や抗体の性質、またはその後の実験目的によっては、別途条件の最適化が必要となることもあります。

1)酸による溶出
a. 抗原抗体反応して洗浄後のビーズに、20mM グリシン(pH 2.0) 20uLを添加して、室温で 5min インキュベートする。
b. 磁気ラックにセットしてビーズが沈殿したら、上清を新しいチューブに回収する。
c. 1M リン酸バッファー(pH 7.4) 2uLを添加して(溶出液の10%相当)中和します。

備考
・酸による溶出は、一般にLaemmli サンプルバッファーを用いるよりはマイルドです。
・Nativeな状態での回収を目的とする場合に、酸による溶出が用いられることもありますが、タンパク質によってはダメージを受けてしまうこともあります。
・溶出後、速やかに中和反応を行うことで、タンパク質の変性を最小限に抑えることができます。
・このような溶出処理により、抗原タンパク質だけではなく、抗体も解離して回収されることがあります。
・抗原-抗体複合体の中には、酸処理では解離しないものもあります。逆に、抗原や抗体の中には、酸処理によって速やかに変性してしまい、Nativeな状態では回収できないものもあります。


2)Laemmli サンプルバッファーによる溶出
a. 抗原抗体反応して洗浄後のビーズに、1x Laemmli サンプルバッファー 40uL を添加して、70℃で 10min インキュベートする。
b. 磁気ラックにセットしてビーズが沈殿したら、上清を新しいチューブに回収する。

備考
・溶出液を、そのままSDS-PAGEまで行う場合には、最適な溶出方法となります。
・溶出されるタンパク質は、変性、還元(還元剤をLaemmliサンプルバッファーに添加した場合)された状態で回収されます。
・このような溶出処理により、抗原タンパク質だけではなく、抗体も変性して回収されます。