このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

バイオマーカーは創薬ターゲットの評価、薬効の評価など、新薬開発のさまざまな段階で活用されます。サイトカインとリン酸化タンパク質は代表的なバイオマーカーであり、さまざまな疾患に関与します。例えば癌には多くの種類のサイトカインやリン酸化タンパク質が関与しており、それらを同時に測定するマルチプレックス測定の重要性が高まっています。

Bio-Plexシステムは、最大100種類のマイクロビーズ上にそれぞれ異なる抗体を結合し、ビーズ上でサンドイッチELISAと同様の原理でバイオマーカーを測定する、マルチプレックス測定装置です。複数のバイオマーカーを個別にELISA等で測定するのに比べ、コストや手間を大幅に削減でき、必要なサンプル量も少ないというメリットがあります。

一方でマルチプレックス測定では、大量のデータが取得されるため、データ解析が困難になりがちです。 Bio-Plex Data Proソフトウェアは、マルチプレックス測定のデータを簡単に可視化し、データ解析の効率向上に貢献します。病気の種類、患者の性別などでデータをグループ分けし、グループ毎のグラフ表示や群間比較も簡単な操作で実行可能です。

 下図は、抹消血単球をLipopolysaccharide (LPS) などで刺激し、培養上清中のサイトカインをBio-Plex ヒト サイトカイン Th17 アッセイパネルで測定した結果を示しています。Bio-Plex Data Proを用いて、データを刺激の種類毎にグラフ表示し、グループ間の比較を行っています。