このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

CNV(Copy Number Variation)は1ゲノムあたりのある遺伝子のコピー数が個人間で異なることを指し、近年表現型形質、疾患感受性や薬剤感受性などへの影響が明らかになりつつあります。CNVの包括的探索方法としては、DNAマイクロアレイなどが、最近は次世代DNAシークエンシング(NGS)が利用されています。CNVが臨床的なインパクトが高まってくると、より正確、迅速かつ費用効果が高い技術が求められ、マイクロアレイやNGSで得られたCNV候補のバリデーションを行う必要が出てきました。

デジタルPCRは今までのリアルタイムPCRを越える正確性を持ち、マイクロアレイやNGSで得られたデータのバリデーションを行うのに現在最も有効な技術の一つとされています。今までのデジタルPCRではサンプル溶液を多数の微小区画に分割する必要がありますが、そのコストがかかっていました。バイオ・ラッドではドロップレットデジタルPCRを開発し、微小区画をエマルジョン化したドロップレットを利用することにより、通常のサーマルサイクラーを利用することで、システムのコストならびに消耗品のランニングコストを下げることができました。

またCNV解析では遺伝子が重複している場合に、重複した遺伝子が同じ染色体上にリンクしているのかどうかはリアルタイムPCRでは判別できませんが、ドロップレットデジタルPCRでは下記の図のように制限酵素処理をした場合としない場合で測定したデータを比較することでリンクしているのかどうかの判別が可能です。今回紹介している技術資料ではCNVに関するアプリケーション例を紹介しています。