このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

 タグタンパク質や抗体の精製には、特異性のある吸着量の高いアフィニティーカラムが適しており、さらに他のクロマトグラフィーと組み合わせることによって純度の高いタンパク質精製を可能にします。

高純度のタンパク質を精製する一般的なワークフローは、
Capture(捕捉) → Intermediate(中間精製) → Polishing(最終精製、ポリッシング)
の3ステップで行います。

今回は、タグタンパク質と抗体精製の代表的な精製工程についてご紹介します。

タグタンパク質精製

[Capture]
初めに、アフィニティークロマトグラフィーによってタンパク質を捕捉します。 使用するカラムはタグタンパク質に合わせて、吸着量の高いHisタグ用のカラムNuvia IMACや、Profinity GSTカラム、Profinity eXactカラムなどを選択します。

[Intermediate]
中間精製には高分離能のイオン交換クロマトグラフィーを用いられます。粒径が10umのENrichQまたはSカラムは高結合容量と高分離能を持ち合わせ、純度の高いタンパク質精製に役立ちます。

[Polishing]
最終精製には、ゲルろ過クロマトグラフィーを用います。ENrich SEC70または650カラムを用いて、タグタンパク質の多量体や凝集体の除去を可能にします。

抗体精製

[Capture]
初めに、UNOsphere SUPrAなどのプロテインAによるアフィニティークロマトグラフィーによって抗体を捕捉します。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーでの精製は、吸着量、特異性が高いため、1ステップで純度の高い抗体が得られます。

[Intermediate & Polishing]
さらに純度を上げたい場合には、他のクロマトグラフィーで中間、最終精製を行います。以下のように、クロマトグラフィーによって除去できる分子が異なるため、いくつかの手法を組み合わせて、精製を行います。
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ENrichQやSカラムなどのイオン交換クロマトグラフィーでは、Host Cell Protein(宿主細胞由来のタンパク質)や抗体のバリアントなどの除去が可能です。また、アフィニティーカラムから外れたプロテインAやDNA、エンドトキシンなどの分離・除去は、QまたはSカラムのいずれかで可能であり、より純度の高い抗体の精製が行えます。
CHTまたはCFTなどのハイドロキシアパタイトは、イオン交換やゲルろ過クロマトグラフィーと違ったユニークな手法であるため、抗体精製によく用いられます。Host Cell Protein やプロテインA、核酸、エンドトキシン、Aggregate(凝集体)などの除去に使用できます。
ENrich SEC 650などのゲルろ過クロマトグラフィーは、抗体の多量体や凝集体の除去に使用でき、最終精製に用いられることが一般的です。