このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

 NGCクロマトグラフィーなどによってタンパク質精製後、フラクションの精製度(純度)の確認にSDS-PAGEなどを行う場合は、電気泳動からバンドの検出までに、最短で数時間、場合によっては1日がかりとなることがあります。この時間を短縮するべく、バイオ・ラッドではTGX StainFreeゲルを用いたワークフローをご提案しています。(StainFree ゲルについてはバックナンバーにも記載があります)。

StainFreeゲルは、SDS-PAGE後のゲルを染色せずにバンド検出ができる手法になり、保存期間が長く、電気泳動の時間が早いTGX StainFreeゲルを用いることにより、さらに短時間でフラクションのチェックを行うことが可能になりました。

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StainFreeゲルはゲル中にトリハロ化合物が含まれており、UV照射をするとタンパク質中のトリプトファンとトリハロ化合物が架橋して、UVによる蛍光を発することでバンドが検出されます。Trpの無いタンパク質が見えないという点が心配されますが、そのような場合はStainFreeでスピーディーにチェックした後のゲルをCBBで再染色することで、見逃したバンドがないかをチェックすることもできます。

下図は、StainFreeゲルとCBB染色を比較したゲルの画像です。トリハロ化合物の含有率によって検出感度は変わりますが、トリプトファンが含有されたタンパク質は、CBB染色とほぼ同等の感度で検出されます。

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4種類のタンパク質:Phosphorylase B (1.4% Trp, 97kD),  glutamic dehydrogenase (0.8% Trp, 56kD), carbonic anhydrase (2.3% Trp, 31kD), lysozyme (3.4% Trp, 14kD)を等量混合したものをSDS-PAGEで分離し、左:StainFreeでの検出と右:BioSafe CBB G-250ステインで染色したゲルの画像。両端はプレシジョンPlusスタンダード(未着色)。

また、これまでTGX StainFreeゲルはプレキャストのゲルのみの取り扱いでしたが、FastCastアクリルアミド溶液キットにより、TGX StainFreeゲルを自作することもできるようになりました。
FastCastアクリルアミド溶液キットは、ゲルの作成が簡便にでき、泳動時間が早い、転写効率が高いなどのTGXゲルの特長を持ちます。また作成したゲルを4℃で1ヶ月保存が可能です。StainFreeタイプのものは、プレキャストゲルと同様に染色せずにバンド検出をすることができます。

FastCastアクリルアミド溶液キットを使ったゲル作成方法

プレキャストゲルには、ミニプロティアンTetraセルとCriterionセル用のフォーマットがあります。Criterion TGXゲルでは最大26wellのコームがあり、多検体フラクションの確認には最適です。

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