このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

CHTセラミックハイドロキシアパタイト(以下CHT)は、5つのカルシウムからなる領域 (C-sites) と2つの水酸基をもつリン酸領域 (P-sites) が反復する幾何学的なパターンで配置されています(図1)。C-sitesはタンパク質のカルボキシル基と強固な配位結合に関与し、一方、P-sitesはタンパク質のアミノ基と静電的な相互作用を生じます。このユニークな相互作用により、CHTは他のクロマトグラフィーでは分離できないタンパク質精製や抗体医薬におけるエンドトキシン除去に使用されています。しかし、溶出で用いる塩に含まれる陽イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン)でCHT表面から脱プロトン化によるpHの低下が生じ、CHT担体が予期せぬ劣化が生じることがあります。

MPC

図1  CHTセラミックハイドロキシアパタイトの結晶構造

今回紹介するMPCセラミックハイドロキシフルオロアパタイト (以下MPC) はCHTの水酸基の一部をフッ化物イオンに置換することで、CHT表面上の脱プロトン化による酸性化を制御し耐久性を高めた第2世代CHTハイドロキシアパタイトです。MPCの性質はCHT Type Iの結合容量、タンパク分離能、クリアランスなどの仕様と同等であるため、CHT Type IからMPCの変更も比較的容易に精製条件を設定できます(図2)。

MPC

図2 プロテインスタンダードを用いたCHTならびにMPCにおける分離比較

CHT Type I 40μm(赤), MPC 40μm(青), 電気伝導度 (黄色)

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