このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

過去30年にわたり、基礎研究や診断、医薬品のツールとして抗体の使用が増加しています。これには、組換え抗体技術の進歩が大きな影響を与えてきました。バイオ・ラッドのHuCAL(Human Combinatorial Antibody Library)テクノロジーは独自の数百億種類の組換えFab抗体のライブラリであり、様々な種類の抗原に対する人工抗体を作製することのできる最高品質のライブラリです。今回紹介する技術資料では、HuCALテクノロジーに代表される組換え抗体について説明しています。

組換え抗体は、従来の動物免疫法での抗体作成方法に比べて次のようなメリットがあげられます

  1. 遺伝子組換え技術により、抗体の可変領域の改変が可能
  2. ランダムなDNA配列の組み合わせにより、動物免疫では得られなかった抗体を作り出せる。
    組換え抗体では、完全長IgGだけでなく、FabやscFvといった低分子抗体の作成も可能です(下図)。
  3. バクテリアで発現を行うことが可能
  4. 安価かつ短期間で取得できる
  5. 免疫のための実験動物が必要ない
Commonly Used Recombinant Antibody Molecules

代表的な組換え抗体分子の構造
Fab fragment:(可変領域と1つの定常領域をもつ)H鎖とL鎖がジスルフィド結合したもの
scFv fragment:H鎖とL鎖の可変領域をペプチドリンカーによって連結されたもの

組換え抗体は、数億以上の抗体可変領域をコードするライブラリから、目的抗原に結合する特異的な抗体をパニング操作により単離し、クローニングおよび発現させることで得られます。このような技術としてファージディスプレイ法、リボソームディスプレイ法、酵母ディスプレイ法が知られていますが、なかでもファージディスプレイ法が最も一般的です。ファージディスプレイ法で可変領域のクローニングをした後、大腸菌で発現させることができるため、安定的に組換え抗体を作製できるのもメリットの一つです。

[ご注意]

HuCAL抗体は研究用です。

HuCALで作成した抗体はバイオ・ラッド抗体検索サイトで確認できます。

HuCALテクノロジーによる抗体作成サービスにつきましては、下記までお尋ねください。
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