免疫療法後のT細胞疲弊 と 免疫チェックポイント阻害剤
～ZE5 セルアナライザーのマルチパラメーター分析能力をフル活用～

免疫系は、自己免疫応答を避け、病原体に感染した細胞や癌細胞のみを的確に攻撃するため、自己と非自己を区別する高度な仕組みを進化させてきました。このうち、過剰な免疫応答を抑制する仕組みのひとつとして、エフェクターT細胞の活性が抑制されるT細胞疲弊があります。腫瘍環境は本質的に免疫抑制的であり、T細胞への刺激が不十分になり、T細胞の疲弊が起こる可能性が高まります。疲弊したT細胞は、PD-1、CTLA4などの阻害性の受容体を高レベルで発現しています。これらの免疫チェックポイント分子をモノクローナル抗体でブロックし、T細胞を再活性化する手法は、近年様々ながんの治療において試みられています。

今回ご紹介する資料では、ZE5 セルアナライザー用にマルチパラメーター フローサイトメトリーパネルをデザインしています。これを用いて in vitro免疫療法モデルにおける多数のT細胞活性マーカー、および現在研究されている免疫療法のターゲット分子を測定した結果が報告されています。

マルチパラメーター フローサイトメトリーパネル のデザイン

T細胞活性マーカーや、免疫療法のターゲット分子を含むパネルのデザインが示されています。

　

T細胞の各サブセットの経時変化をモニター

CD3/CD28で刺激したT細胞における、ナイーブ、セントラルメモリー、およびエフェクターメモリーT細胞サブセットの数の経時変化をモニターした結果が示されています。また、このT細胞に抗PD-1抗体医薬品であるニボルマブを添加し、添加の有無による比較も行われています。