このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

RNAの絶対定量にDroplet Digital™ PCR(ddPCR)を活用している、テキサス大学サウスウエスト医療センターのDavid Corey教授からの報告をご紹介します。

細胞あたりのRNA分子の絶対値を測定する研究者は多くありません。しかしながら、このような数値はRNAの機能に大きな影響を及ぼしうるものです。例えば、細胞あたりわずか1〜2コピーで存在するRNAは、その標的に対してトランスに機能する可能性は低く、このようなまれなRNAはそれらをコードする遺伝子において、シスエレメントとして機能する可能性が高いです。対照的に細胞当たり数百または数千コピーで存在するRNAは、トランスに作用する因子としてより良い候補となります。ddPCRはこれらの値を正確に決定することを可能にし、それは疾患のメカニズムを理解するため強固な基盤を築く助けになるものです。

RNAは一般的にはリアルタイムPCR(qPCR)によって測定されます。しかし、qPCRでは適切な標準曲線が作成されない限り絶対定量は不可能で、低コピー数の検出にもあまり適しておらず、用いるプライマーに依存して値に変動もあります。これらの欠点はddPCRにより克服されました。我々はヒト細胞内のさまざまな細胞内コンパートメントからのlong noncoding RNA(lncRNA)の定量にddPCRを用いました。ddPCRによるlncRNAの正確な定量は、これらRNAの機能を示唆し、また生物学的役割を有する情報とRNAポリメラーゼの微妙な作用によるノイズであり得るものとを区別し得るデータでした。

我々の結果は、ddPCRが細胞内のRNA数を測定するための強力なツールとなり得ることを示しています。

Cyclooxygenase 2 long noncoding RNA の測定事例

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