このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

タンパク質の SDS-PAGE を行う際には、まずパワーサプライに適切な電気条件を入力設定して実験を始めます。
この時パワーパックUniversal などのパワーサプライ側の設定項目を見ると、電圧(V) の他にも電流(A) や電力(W) も設定できるようになっています。これらはどのように設定すればよいのでしょうか?

電圧と電流の関係は、次のようなオームの法則によって関係づけられています。 電圧(V) = 電流(A) x 抵抗 (Ω)

ここで「抵抗」は泳動槽にセットするゲル枚数、バッファー組成によって決まる電気の流れやすさを左右する変数となります(図の赤矢印)。
泳動が進むにつれてバッファー成分の分解や移動のため、徐々に「抵抗」は上昇する方向に変化します。

従いまして、「定電流」の場合に電圧は上昇していき(図a の青矢印「定電圧」の場合に電流は下降していく(図b の黄矢印ようになります。
発熱量は電力量に比例して変化しますので、「定電流」では発熱量が増える傾向(図a 黒矢印)があり、「定電圧」では発熱量は減る傾向(図b 黒矢印)があることになります。

初めの疑問に戻りますが、パワーサプライでは電圧と電流のどちらを一定にするか決めて(例えば定電圧)、その出力値を入力すれば、その他の項目(定電圧の場合は電流、電力)はデフォルトの最大値のまま変更する必要が無いことになります。つまり定電圧の場合は、泳動槽の抵抗値に応じて電圧を一定に保つために必要な電流値が自動的に出力されるというわけです。

なお、泳動槽にセットするゲル枚数を1枚から2枚に変更すると、電流が2倍流れやすくなるので、抵抗値としては半分になります。その結果、「定電圧」ではオームの法則により同じ電圧値でも2倍の電流が流れるようになりますが、「定電流」ではゲル枚数に応じて2倍の電流値を入力しなければならないというひと手間がかかります。

以上のように、バイオ・ラッドでは SDS-PAGE の電気出力条件として、発熱を抑える傾向があり、ゲル枚数を考慮することなく同じ出力値をいつも指定できる「定電圧」での実験をお勧めしております。
以上のようなパワーサプライでの設定事項については、以下のリンクの情報サイトも併せてご参考ください。

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