このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

Multiplex RT-qPCRは逆転写酵素によりテンプレートのRNAからcDNAを合成後、複数の遺伝子配列の増幅を1回の反応で同時に検出する方法で、発現解析やRNAウイルスの検出に使用されています。同様に、サンプル調製したチューブ内で逆転写反応とqPCRが連続して実施できるワンステップ Multiplex RT-qPCRは、逆転写反応とPCR反応をそれぞれ調製する必要がないため、短時間で情報が得られ、特に多サンプルで高いスループットが必要な研究に使用されています。

しかし、Multiplex RT-qPCRは異なるセットのプライマー間での相互作用や発現量の少ない遺伝子の増幅抑制などが生じることがあり、シングルプレックス時と異なる結果になることがあります。そのため、正しい結果を得るために、実験デザインや最適化を検討しなければなりません。

今回紹介するBulletin 7275では、ワンステップMultiplex RT-qPCRの実験系を構築するために検証すべき5ステップをご説明しています。

ワンステップMultiplex RT-qPCRの実験系を構築するための検証すべき5ステップ
  1. MultiplexのためのPrimerとProbeの設計
  2. Probeに使用する蛍光色素の設定
  3. Multiplex化の前に個々のアッセイの検証
  4. Multiplex反応の検証
  5. 必要に応じてMultiplex反応条件の最適化

リアルタイムPCR成功のコツとポイントをご案内している"Tips, Tricks & Best Practices: The Ultimate qPCR Assay Design Guide (Bulletin 6894)も併せてご覧ください。

本記事でご紹介している製品はin vitroでの研究用です。
  ヒト、動物等の診断、治療にはご利用頂けません。

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