このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

アフィニティークロマトグラフィーのプロテインA担体を使用した抗体精製は、高い選択性と純度を得ることができる反面、コストが高く、低pHでの溶出により、抗体の凝集が起こりやすく担体の寿命が短くなるというデメリットがあります。

そこで、この技術資料では、Rituximabのバイオシミラー抗体をサンプルとして、プロテインA担体を使用しない(非アフィニティークロマトグラフィーの)ワークフローでの精製の評価を行っています。
具体的な精製のワークフローは、プロテインAまたは陽イオン交換(CEX) による捕捉精製を行った後、陰イオン交換(AEX)、ミックスモード担体(Nuvia cPrimeまたはセラミックハイドロキシアパタイト, CHT XT)の順で精製し、その精製産物を比較しています。

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非アフィニティークロマトグラフィーのワークフローによって精製されたRituximabのバイオシミラー抗体は、純度96%以上、収率 ~86%が得られることが確認されました。 また、これらワークフローでの精製産物とRituximabのバイオシミラー抗体の標準品を薬物動態(Pharmacokinetic, PK )ブリッジングELISAにて比較したところ、同様の挙動を示すことも確認しています。

この結果からは、非アフィニティークロマトグラフィーの精製ワークフローであるNuvia S – Nuvia Q – CHT XTが経済性にも優れており、バイオシミラー抗体などの抗体精製の選択肢の一つになり得ることを提案しています。

※当該製品は研究用試薬です。臨床目的には使用できません。

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