このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

分子量スタンダードは、分子量計算を目的とした電気泳動(SDS-PAGE)だけではなく、ウェスタンブロッティングで期待通りのサイズのバンドが検出されたか確認するためにも、電気泳動全般の実験において不可欠なツールだと言えます。

最近では天然タンパク質ではなく、組換えタンパク質を利用した分子量スタンダードが主流となっており、覚えやすいバンドのサイズ情報で、より正確な分子量の概算ができるようになってきています。また、従来からある青色の色素で標識されたものだけではなく、ピンク色、緑色、黄色など様々な色素で標識した分子量スタンダードも市販されています。

しかし、用途にマッチした最適な分子量スタンダードを使用しなければ、次の失敗例のように分子量スタンダードが検出できなかったために、実験をやり直さなければならない事態となってしまいます。

失敗例1
失敗例2
失敗例3

バイオ・ラッドからも様々なタイプの分子量スタンダードを販売しておりますが、電気泳動の用途に応じてどの分子量スタンダードが最適かをまとめた資料として、セレクションガイドがあります。

また、実際にどのようなバンドパターンで検出されるか、ブラウザー上で選択して確認できるウェブツールもありますのでどうぞご参考ください。 さらに、ゲルやメンブレンの染色・検出方法に応じて、お勧めの分子量スタンダードの使用方法を以下の一覧表にまとめてみました。
スムーズな分子量の解釈ができる電気泳動のために、セレクションガイドウェブツールや以下の一覧表を、最適な分子量スタンダードの選択のためにお役立てください。

【総タンパク質染色】 染色・検出方法に応じた適切な分子量スタンダード
染色方法 推奨スタンダード(略称※) ミニゲルでの使用方法
CBB染色 未着色 5-10uLをアプライします。
泳動中に目視できませんが、CBB染色によってバンドを確認できます。
着色済
・Blue
・Dual (DualXtra)
・Kaleidoscope
・Western C
5-10uLをアプライします。
泳動中にバンドを目視できます。
CBB染色後には、着色済バンドもほとんど青色のバンドとして確認できます。
銀染色 未着色 1-3uLをアプライします。
蛍光ゲル染色剤
(Oriole, SYPRO Ruby等)
未着色 1-3uLをアプライします。
着色済 - 着色済スタンダードの使用はお控えください。
色素が蛍光染色剤による検出を妨げるため、バンドを正常に検出できません (失敗例1)
Stain-Freeゲル 未着色 未着色スタンダード(5uL)をアプライします。
未着色+Blue
(等量で混合)
未着色スタンダード(5uL)にBlueスタンダード(5uL)を混合したものを使用すると、1レーンでバンドの目視とStain-Free検出の両方を行う事ができます。
- Blueスタンダードの青色バンドはStain-Freeで検出できません。
- Dualスタンダードの赤色バンドはUV励起によって強い蛍光を発して、サンプルの検出にも影響するため、使用はお控えください (失敗例2)

※ 製品名(略称)とカタログ番号との対応は次の通りです。

【ウェスタンブロッティング検出】 染色・検出方法に応じた適切な分子量スタンダード
検出方法 推奨スタンダード(略称※) ミニゲルでの使用方法
発色法 未着色
(+ Strep-HRP)
転写後のブロット上で目視できませんが、二次抗体の反応液にStreptactin-HRPを希釈して添加すると、発色基質による反応によって、バンドを目視できるようになります。
着色済
・Blue
・Dual (DualXtra)
・Kaleidoscope
・Western C
5-10uLをアプライします。
バンドは泳動中、転写後のブロット上で目視できます。
化学発光法 WesternC
(+ Strep-HRP)
5uLをアプライします。
バンドは泳動中、転写後のブロット上で目視できます。
二次抗体の反応液にStreptactin-HRPを希釈して添加すると、バンドを化学発光で検出する事ができます。
着色済
・Blue
・Dual (DualXtra)
・Kaleidoscope
・Western C
5-10uLをアプライします。
バンドは泳動中、転写後のブロット上で目視できます。
ChemiDocシリーズの撮影装置であれば、ImageLabソフトウェアを使用して可視画像と化学発光画像を重ね合わせて表示する事ができます。
蛍光法 着色済
・Blue
・Dual (DualXtra)
・Kaleidoscope
・Western C
5uLをアプライします。
ブロット上で目視でき、次の励起条件でバンドを検出できます。
目的バンドの検出条件に影響しないように、希釈して泳動した方が良い場合もあります。
  • 青色バンド: 赤色 LED or 635 nm レーザー
  • 赤色バンド: 緑色 LED or 532 nm レーザー
  • 緑色バンド: 赤色 LED or 635 nm レーザー
  • 黄色バンド: 青色 LED or 488 nm レーザー

※ 製品名(略称)とカタログ番号との対応は次の通りです。

今回の記事の関連情報
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