1) 吸引式洗浄で使用するフィルタープレートでは、サンプルに不溶物等があった場合に目詰りする恐れがあります。また、不溶物が残っている場合には、プレート読み取り時にニードルや流路系を目詰りさせる要因ともなりえます。一方、磁気洗浄では、磁力によりサンプルプレートの底に磁気ビーズを保持し、保持されない成分や溶液はウェルの上部から除きます。そのため、不溶物を含むようなサンプルでもその除去が効率よく行われます。
2) フィルタープレートを用いる場合には、ごくまれに破けていたり、透過性の悪い製品が混じっていることがありました。また、操作を誤ってピペットマンの先端でフィルターを突いて破いてしまう恐れがありました。磁気洗浄に用いるフラットボトムプレートではそのような不具合は起こりません。
3) バキューム洗浄において吸引圧と吸引時間の調整は非常に重要で、弱すぎると洗浄効果が悪くなり、逆に強すぎる場合にはビーズのロスの原因となることがありえます。ただし、吸引圧の調整には慣れを要する場合もありました。
4) フィルタープレートは洗浄操作のあとで、底面に残った液滴を除いておく必要があります。これを怠ると、インキュベーション中や装置での読み取り中にウェル内の溶液が漏れてしまう原因となりえます。また、インキュベーション時のプレートシールを貼る際、上から強く押さえることも液漏れの原因となります。 磁気洗浄では液漏れの心配はありえません。