カセットの穴と一致するようなバックグラウンドの上昇が認められる場合には、次のような可能性が考えられます。
1)ファイバーパッドの汚れ
ファイバーパッドが、過去の実験でゲルから溶出したタンパク質により汚れてしまったり、バクテリアで汚染してしまったりすると、パッドから溶出したタンパク質がメンブレンに転写され、丸くカセットの穴と一致するような形にバックグラウンドが高くなってしまうことがあります。
ファイバーパッドを洗剤で良く洗浄するか、新しいパッドに買い替えて改善するかお試しください。
2)転写バッファーの汚れ
転写バッファーがタンパク質やバクテリアで汚染してしまうと、バッファーからゲルを通過して、メンブレンにまで転写されてしまい、丸くカセットの穴と一致するような形にバックグラウンドが高くなってしまうことがあります。転写バッファーを再調製して改善するかお試しください。
3)泳動したタンパク量が過剰
過剰のタンパク質を泳動してブロットしようとすると、メンブレンを抜けてしまったタンパク質が、バッファー中を循環して、再びゲルを通過して膜に転写されてしまうことがあります。特に、0.1% SDS を含む転写バッファーを使用している場合には、このようなトラブルが生じることがあります。