いったん作業を中断するということでしたら、転写後のメンブレンを4℃のTBS溶液中で保存することもできますが、数日以上の長期の保存には適していません。さらに長時間の保管を行う場合には、メンブレンの種類に応じて、次のように対処することもできます。
・メンブレンがニトロセルロースメンブレンの場合
転写後のメンブレンを精製水で洗浄後に、いったん乾燥させて、フィルターペーパーに挟んで冷蔵保存することも可能です。TBS等で親水化したうえでブロッキング以降の続きの実験を行ってください。
・メンブレンがPVDFメンブレンの場合
転写後のメンブレンを精製水で洗浄後に、いったん乾燥させて、フィルターペーパーに挟んで冷蔵保存することも可能です。続きの実験を行う際には、保管したPVDFメンブレンをいったん100%メタノールで親水化し、精製水、TBS等で洗浄してください。その後、ブロッキング以降の続きの実験を行ってください。
なお、PVDFメンブレンを再び親水化させるための100%メタノール処理によって、メンブレンに弱く保持されているタンパク質はウォッシュアウトしてしまう可能性があります。あらかじめこの点を考慮したうえで、心配に思われる場合は、PVDFメンブレンを乾燥させずTBS中で数日までの保管におさえるようにしてください。