このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
医薬品の開発においては、高感度で再現性のある薬物動態(Pharmacokinetic, PK )アッセイを行う必要があります。 血中の薬剤濃度を測定し、モニタリングすることは、薬効との関係性や薬剤の代謝を解析する上で非常に重要です。ただし、血中に含まれる多量の抗体と区別して抗体医薬品の濃度を測定するためには非常に高い特異性が求められます。そうした薬物モニタリングアッセイにおいて、抗イディオタイプ抗体(anti-idiotypic antibody, Anti-ID) は効果的なツールとなります。
抗イディオタイプ抗体とは、抗体分子の抗原認識領域(CDR; Complementarity determining Region, 相補性決定領域)を認識する抗体のことです。 この部位は、抗体分子の可変ドメインとも呼ばれるように非常に変化しやすく、それゆえ、特異性の高い抗イディオタイプ抗体の作成は非常に難しいとされています。バイオ・ラッドでは、既に利用されている治療用抗体に対する抗イディオタイプ抗体を多数ラインアップしています。
また、薬剤は生体に投与されると異物として免疫反応し、その薬剤に対する抗体(Anti-drug antibodies, ADA) が出来てしまうことがあります。 ADAは生体内で薬剤に結合し、作用を中和することで有効性が減弱(loss of efficacy)したり、場合によっては 有害事象(adverse events) の原因となりえます。抗イディオタイプ抗体は、ADA定量のためのリファレンスとして、そのような免疫原性( Immune response, IR )アッセイ系の構築に用いることができます。
今回とりあげましたTechNoteでは、HuCAL (Human Combinatorial Antibody Library)テクノロジーを用いて抗IL-6抗体医薬品および抗IL-13抗体医薬品に対する抗イディオタイプ抗体を作成し、それを用いたPKおよびIRアッセイ系を構築した論文を紹介しています。
今回とりあげました記事の全文は、こちらからご覧いただけます。
HuCALで作成した抗体はバイオ・ラッド抗体検索サイトで確認できます。
HuCALテクノロジーによる抗体作成サービスにつきましては、下記までお尋ねください。バイオ・ラッド テックコール
life_ps_jp@bio-rad.com,
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