このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

 ウェスタンブロッティングは幅広い分野で実施されている基礎的実験方法ではありますが、バンドの検出結果をみてがっかりしてしまうこともしばしばあるようです。このような場合、泳動や転写がうまくいっているのかを実験途中にチェックしておけば、トラブルの未然の防止や発見に役立つと考えられます。

染色のいらないTGX Stain-Freeゲルをウェスタンブロッティングに用いれば、泳動後のゲル上でバンドを可視化(Visualization)したり、転写後のメンブレン上で転写状態を確認(Verification)したりを簡単に行えます。また、定量的なウェスタンの場合には、実験誤差の補正(Verification)を総タンパク質検出によって簡便で正確に行うことができます。

今回ご紹介する技術資料では、このようなStain-Free定量ワークフローの全体の流れをご紹介しています。また、実際にデータ補正方法の比較も行って、Stain-Free総タンパク質検出による補正結果がハウスキーピングタンパク質(GAPDH)と同等のものであり、簡便に正確なデータ補正結果が得られることを示しています。

蛍光標識抗体を用いた蛍光マルチウェスタンの結果
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 赤 :ターゲットのMCM7のバンド
 緑 :ハウスキーピングタンパク質のGAPDHのバンド
 青 :Stain-Free 総タンパク質検出
Stain-Free総タンパク質検出とハウスキーピングタンパク質(GAPDH) によるデータ補正の比較
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Stain-Free 総タンパク質検出とGAPDHのどちらを用いた場合も期待値 0.80 に近い補正結果となっています。
  グレー:ガンマ線未処理群   
オレンジ色 :ガンマ線照射群
  赤線 :ガンマ線照射によって減少すると期待されるMCM7の発現レベル(0.80 倍)
今回の記事の関連情報

今回ご紹介した記事の全文はこちらからご覧いただけます。

Stain-Free定量ウェスタンワークフローに関する技術資料(Bulletin 6253A)はこちら(英文PDFファイル)
TGX Stain-Freeゲルを用いたウェスタンブロッティングのデータ補正に関する論文 (Genetic Engineering & Biotechnology News 2011, Vol.31, No15) はこちら(英文PDFファイル)
Stain-Freeテクノロジーの応用に関する技術資料(BioRadiationsより)
Trends in Protein Separation and Analysis ? the Advance of Stain-Free Technology 
Comparison of the Criterion TGX Stain-Free Precast Gel System and Standard Coomassie Staining Procedures for Running and Imaging Protein Gels
TGX FastCast アクリルアミド溶液キットの資料はこちら(英文PDFファイル)
Stain-Free ウェスタンブロッティング(日本語資料 PDF)
Stain-Freeゲルの原理など Stain-Freeイメージングテクノロジー製品紹介

Technical Brief バックナンバー:

様々な用途に使用できるStain-Freeのテクノロジー ~ウェスタンブロッティングにおける総タンパク質補正~
染色のいらないゲルで実験のスピードアップ
まだまだ広がる、染色不要ゲルの活用法
クロマトグラフィーでの分取後の迅速なチェックにはStain-Freeゲル
  ~プレキャストゲルだけじゃない!FastCastキットを使ってゲル作成を簡単に~

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