このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
トランスフェクション試薬はDNAを細胞へ導入する簡便かつパワフルなツールではありますが、より良い結果を得るためには細胞のタイプによって最適化が必要となります。今回紹介する技術資料では、トランスフェクション試薬のTransFectinを用いてウシのさまざまな細胞への条件の最適化について検討を行なっています。
例えばウシのPBMC(末梢血単核球)で細胞密度を検討した例では、導入効率に顕著に違いが現れています(下図参照)。今回の資料の著者らはTransFectinの最適化の検討項目として「細胞密度」「TransFectinとDNAの量」「TransFectin-DNA複合体と細胞のインキュベーション時間」を挙げています。
結果として、著者らが今回検討したウシの細胞種(PBMC、リンパ肉腫細胞、初代卵管細胞、肺大動脈内皮細胞)は比較的トランスフェクションが難しいとされているものでしたが、TransFectinで最適化をしたことにより非常に効率よく導入が可能でした。下表は著者らがこれらの細胞で最適化して求められた導入の条件を示しています。