このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

コロナ デル マールは、カリフォルニア南部で最も美しいビーチの一つ。

このような美しい海岸であっても、雨季の嵐による土砂の流入に伴う微生物汚染が発生する可能性があります。今回ご紹介する記事は、沿岸の環境汚染のモニタリングとハザード警告に従事する研究者の活動です。

水質汚染モニタリングのデジタル化

海域を汚染するのは下水等に存在する一般的なウイルスや細菌です。環境サンプル中には複雑で検出が困難なウイルスや病原菌が存在しますが、腸球菌(Enterococcus bacteria)が良いマーカーとなることが分かっています。腸球菌は一般的には無害ですが、糞便汚染や付随する様々な病原体の存在の可能性を示します。

サンタアナ川のサンプルを採取する、南カリフォルニア海岸沿岸水研究プロジェクト(SCCWRP)のMeredith Raith先生。

環境から試験管まで:A.水サンプルをフィルターでろ過。B.フィルターから微生物を採取。C.それらを溶解しPCR分析用に調製。

SCCWRPでは従来のリアルタイムPCR法による検出で起こる、環境サンプルの複雑さによる反応阻害や偽陰性、外部標準DNAを用いることによる測定結果のばらつきを問題視していました。Droplet Digital PCR(ddPCR™)技術は、反応阻害の影響を受けにくく、また外部標準DNA等を必要としない絶対定量であるという特徴を持っています。SCCWRPではddPCR™を腸球菌の定量に用いることで、これらリアルタイムPCR法での問題を解消しています。

さらにリアルタイムPCRでは増幅反応の競合のために困難だった、マルチプレックスによる複数の微生物ゲノムの同時検出もddPCR™で可能になり、実験時間と試薬の両方を節約することにも一役買っています。

今回の記事の関連情報

今回ご紹介した記事の詳細はこちらからご覧いただけます。

Droplet Protecting Coastal Ecosystems with Droplet Digital PCR
南カリフォルニア沿岸水研究プロジェクト(SCCWRP)のDroplet Digital PCR技術を使ったより効率的で正確な水試験方法の取組(動画)

QX200 Droplet Digital PCR システムの製品紹介

※当該製品は研究用機器であり、医療機器ではありません。

QX200 Droplet Digital PCR システム製品紹介
Droplet Digital PCR 論文データベース(環境問題に関する論文)
Droplet Digital PCR 論文リスト
日本国内のユーザー様からの論文報告のご紹介

免責事項:この記事に記載された見解は、必ずしも南カリフォルニア沿岸水研究プロジェクト機関またはその加盟機関の見解ではなく、特定のブランドまたは技術の推奨でもありません。

このページの情報は役に立ちましたか?
お探しの情報が見つからなかった場合やご意見など、下記までお問い合わせください。

バイオ・ラッド テックコール
life_ps_jp@bio-rad.com,
03-6404-0331(平日9:00-17:00)