エレクトロポレーション 全般に関する質問集

質問 ID: 1044

バクテリアサンプルのエレクトロポレーションを行った場合に、火花が飛んだ(アーキングした)のですが、原因は何ですか?

回答

以下の原因が考えられます。

1)DNAサンプル、コンピテントセルなどに塩などの通電性の物質が含まれ、抵抗値が低くなっている。

DNAサンプルは、エタノール沈殿後、70%エタノールで2回以上洗浄を行い塩を完全に除いた後、超純水に懸濁してください。ライゲーションしたプラスミドなどDNA含量の少ないサンプルをエタノール沈殿する場合は、Ethachinmate(エタチンメイト, ニッポンジーン)やGlucogenなどの共沈剤を加えることで回収率を高めることも可能です。

コンピテントセルを自作した場合は、菌体を良く洗浄し塩や培地を完全に除いた後に10%グリセロールなどの抵抗値の高い溶媒に懸濁してください。

2)サンプル中に細かな気泡が含まれている。

コンピテントセルを沈殿しない程度に軽く遠心して懸濁液をチューブの底に落とした後、チューブ底までチップの先を挿して必要量より少し多い量をピペットで分注し、キュベット内にアプライ時は最後までサンプルを押し出して泡を入れないように注意してください。

3)キュベット外壁に水滴がついている。

キュベット外壁に水滴が付着している場合、アーキングの原因となります。キュベットをチャンバーにセットする前に水滴等をキムワイプ等でふき取ってください。

4)キュベットを再使用している。

キュベットに汚れが付着している、あるいは劣化している場合はアーキングの原因となります。新しいキュベットをご使用ください。


以上の点にご注意いただいた上で改善が見られない場合は、機器の故障の可能性がありますので、ご連絡ください。