モデル583ゲルドライヤー/ハイドロテックバキュームポンプに関する質問集

質問 ID: 422

[モデル583ゲルドライヤー] ゲルが割れてしまいます。

回答

次の原因が考えられます。

1)ポンプの吸引力が不足している。
Model583ゲルドライヤーを使用するために必要なポンプの吸引圧は、最低でも25inchHg以上(推奨28inchHg)の吸引圧が必要です。

もし、この吸引圧に到達していない場合、ゲルの乾燥時間が延び、ゲル割れを起こし易くします。
使用されているポンプにバキュームゲージ(165-1788)などを接続し、実際の吸引圧を確認してください。
吸引圧が到達していない場合、使用しているポンプの仕様を確認し必要に応じてポンプを十分な仕様を持つタイプに変更、もしくはメンテナンス等を行ってください。

2)シーリングガスケットが劣化している。
シーリングガスケットは使用と共に劣化し、吸着性が低下し、吸引圧の低下を引き起こします。
ゲルを置かない状態でフタをしてポンプを作動させてください。その状態でフタを一度開け、シーリングガスケットがしっかりと本体に吸着していることを確認してください。もしその状態でガスケットが吸着していない場合、シーリングガスケットの劣化の恐れがあります。
その場合は、70%エタノールを内側表面に噴霧し、キムワイプなどで拭きとってください。
それでも改善されない場合、新しいシーリングガスケット(165-1748)に交換してください。

3)ポーラスゲルサポートが目詰まりしている。
サポート板の孔に微細なゲル片等が入り、目詰まりを起こしている可能性があります。
この場合、局所的な吸引圧の低下による乾燥ムラが発生し、ゲル割れの原因になります。
新しいポーラスゲルサポート(165-1747)に交換してください。

4)ラインの一部からリークし、吸引圧が目的の圧力まで達していない。
ラインの一部から空気が漏れいている場合、吸引圧が低くなり、ゲル割れの原因になります。
本体とポンプの間にゲージ接続し、本体にシーリングガスケットを被せた後、ポンプを作動し吸引圧を測定します。
吸引圧が25inchHgに達していない場合、ポンプの性能を1)に従って確認してください。
ポンプの性能に問題がない場合、ラインの一部からリークしている可能性があります。その場合、一度吸引した状態からポンプを停止し、その吸引圧がどれくらいで減少していくかを確認してください。
圧力が急激に減少していく(十秒程度で0に到達する)場合、ラインの一部から空気が漏れている可能性があります。
また、シーリングガスケットが劣化している場合にも同様に吸引圧が急激に低下していきます。ラインの確認及びシーリングガスケットの吸着性を2)に従って確認してください。
もし問題が改善されない場合、機械の故障している可能性があります。弊社の修理サービスまでご連絡ください。

5)温度が上昇していない。
機械の故障が考えられます。弊社の修理サービスまでご連絡ください。

6)乾燥時間が足りない。
乾燥温度が低い場合や、吸引圧が低くなるに従い、乾燥に必要な時間が長くなります。
その場合には乾燥時間を延長しください。

7)気泡が混入している。
気泡がゲル表面やゲルのエッジ箇所に混入している場合、乾燥中にゲルが割れやすくなります。
ゲルを本体に乗せた後、セロファン(もしくはラップなど)を被せる際、不要な気泡が入らないよう注意し、入った場合には取り除いてください。

8)ゲルの%Tが15%を超えるゲルや、グラジェントゲルを乾燥させている。
このような仕様のゲルを乾燥させる場合、ひび割れが起きやすくなります。
ゲルを乾燥させる前に下記の溶液中で30分平衡化することでバッファーを置換し、2-4時間かけて乾燥を行ってください。
平衡化溶液 組成 : 3%グリセロール、40%メタノール、10%酢酸
また、このようなゲルを乾燥させる場合、必ず使用するポンプの吸引圧が推奨される28inchHg以上であることを確認してください。
それでも改善されない場合には、グリセロール量を5%まで上げることができますが、さらに乾燥時間の延長が必要です。