蛍光色素と光
(Fluorochromes and light)

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蛍光色素は、タンパク質や核酸などの生体分子の発現を検出するための標識としてしばしば用いられます。特定の波長で(レーザーなどから)光エネルギーを受け取り、それより長い波長の光を再放出します。 これらの2つのプロセスは励起と発光と呼ばれます。 発光は励起の後、非常に迅速に、通常ナノ秒以内に起こります。これがいわゆる蛍光です。 フローサイトメトリーに利用できるさまざまなタイプの蛍光色素を検討するには、光の吸収と蛍光の原理を理解する必要があります。

光は電磁波の一種で、波として進みます。 この波には周波数と波長があり、波長により光の色が決まります。 人の目に見える光(可視光)は、紫外線(UV)と赤外線(IR)の間の狭い波長帯域(380-700nm)のことを指します(図7)。 例えば、太陽光は紫外線と赤外線を含みます。これらは目には見えませんが皮膚で温かみを感じ、光検出器を用いて科学的に測定できます。 可視スペクトルは、さらにその色に従い、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色および紫色に細分化することができます。 赤色光はより長い波長と低いエネルギーをもち、一方、紫色光はより短い波長と高いエネルギーをもちます。