セルアナライザー(Cell Analyzer)は細胞分取機能がないため、分取系(ソーティング系)と呼ばれる偏向板や細胞回収用チューブを収めるコレクションポートなどはありません。分析に特化しているため、サンプルを注入する側はチューブだけでなくマイクロプレートにも対応したスループットの高い機種もあります。また、一般にセルソーターよりも検出チャンネルが多く、より多種類の蛍光色素を用いた測定することが可能です。
セルソーター(Cell Sorter)は、サンプル注入側は5mlチューブのみに対応する機種が一般的ですが、分取系は複数の回収容器(5mlチューブ、1.5mlチューブ、マイクロプレート等)に対応します。しかし、セルアナライザーに比べて検出チャンネル数は少なく、使用できる蛍光色素の数は限定されます。また、回収容器へ飛ぶ細胞の位置合わせなどセルアナライザーよりも操作は複雑です。
上記以外にも以下のような構造的な違いがあります。
上左図のように、セルアナライザーではサンプルが検出部を下から上に流れるのが一般的です。この向きに流すことで、流路に混入した気泡が抜けやすくなるメリットがあります。セルアナライザーでは細胞の分析のみを行い、細胞を回収しないため、検出部を通過したサンプルを液滴にする必要はなく、全て廃液タンクへ流します。
一方、セルソーターでは検出部の下に設置した容器に細胞を回収するため、サンプルは上から下に流れます。検出部を通過した細胞は液滴に包まれた状態で荷電され、偏向板によって飛ぶ向きを変えられて、左右の容器に回収されます。