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リコンビナントタンパク質のアフィニティーの結合部位を持たないタンパク質を精製・製造するには、複数の工程が必要となり、製造コストが高く、回収率は低くなります。 ミックスモードクロマトグラフィー担体は、このようなタンパク質を精製するための重要なツールとなっています。

この技術資料では、ミックスモード担体Nuvia aPrime 4A担体を用いて、EPA(緑膿菌のエクソトキシンA)の組換えタンパク質を大腸菌の抽出物から精製した例を紹介しています。

初めに、イオン交換や疎水クロマトグラフィーなどを含む数種類の担体を、捕捉能や回収率などの項目で比較した結果、Nuvia aPrime 4Aが最も優れた担体であると評価されました(詳細は本編参照)。
このNuvia aPrime 4Aを用いて、中性付近のpHで適切な塩濃度のバッファー条件(Table2)で、捕捉精製を行った結果、宿主細胞由来のタンパク質や脂質、核酸などの不純物の大部分はフロースルー画分に溶出されました(Fig.1)。

この結果、EPAが高塩濃度バッファーではなく、pH9.0の高濃度アルギニン溶液によって溶出されたため、アルギニンの代わりになるもの探したところ、2価の金属イオン(Ca2+とMg2+)を含むバッファーが有効であることが判明しました。
DOEにより最適な条件を決定し、さらにCHT Type I(40 um)によるポリッシングを行うことで、95%以上の純度と75%以上の回収率が得られました。

本製品は研究用試薬です。臨床目的には使用できません。

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