このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
IgMは、その構造や生化学特性のためにプロテインAやプロテインGに結合がしにくく、IgGよりも精製の検討が複雑になります。この技術資料では、陽イオン交換担体のNuvia SとCHT (セラミックハイドロキシアパタイト)TypeⅡを用いてIgMの精製を行っています。
陽イオン交換クロマトグラフィーでの精製は、中性/塩基性のIgMに適しており、3種類の異なるpI(pI 7以上)のIgMを使用してプロトコールの最適化を検討しています。
Fig.3とFig.4は、IgM-1 pI 7.5をサンプルとし、酢酸ナトリウムバッファーpH 5.0と酢酸ナトリウムバッファーpH 6.0をベースにNaClグラジェントで精製を行ったデータです。
非還元SDS-PAGEにて確認を行うと、pH 5.0のバッファーに比べてpH 6.0のバッファーを使用した方が、IgMのフラクションに含まれるトランスフェリン(TF)や血清アルブミン(SA)などの量が減少していることが分かります。
この技術資料は、大量のサンプルを精製することを想定して2工程(Nuvia S - CHT)で行っていますが、さらにサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)などの工程を追加して精製度を高めることも可能です。
アフィニティー担体を使用しない中性/塩基性IgMの精製 弊社の資料 Development of a Non–Affinity Based Purification Platform for Neutral/Basic IgMs |
バックナンバー:プロテインA担体の代わりに陽イオン交換担体で抗体の精製をCHT™ Ceramic Hydroxyapatite XT Media Product Information Sheet |
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