このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
セラミックハイドロキシアパタイト(CHT)は、抗体医薬などの製造工程で重要な役割を果たしていますが、抗体精製だけでなく、幅広いpIのタンパク質や核酸の分離・精製にも用いることができます。
CHTセラミックハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーの分離・精製原理は、カルシウムイオンによる金属アフィニティーとリン酸基による陽イオン交換に基づくミックスモードと言われています。
タンパク質やアミノ酸の場合は、カルボキシル基がCHTのカルシウムイオンとの親和性があり、アミノ基がCHTのリン酸基との親和性があるため吸着します。核酸の場合は、リン酸基がCHTのカルシウムイオンとの親和性によって吸着します。(下図参照)
溶出はリン酸イオンを高濃度にすることが一般的な手法です。また、塩基性タンパク質の場合は塩化物イオンでも溶出されます。いずれも、中性付近のバッファーで溶出することができ、マイルドな条件でクロマトグラフィーでの精製を行うことができることもメリットの一つです。
ミックスモードであることを生かして、同じタンパク質であっても修飾の違いで吸着・溶出のパターンが変わることがあります。
また、ssDNAとdsDNAの分離も可能です。
下のクロマトグラムは、オボアルブミンのリン酸化の有無で、分離パターンが異なること示します。 初期精製から最終精製(ポリッシング)まで、CHTはどのステップにも使用できます。
今回ご紹介したCHT の技術技資料(Bulletin 5709)(PDFファイル) How CHT Ceramic Hydroxyapatite Works |
タンパク質の種類別のCHTに用いられるバッファーのpHの効果を示す技術技資料(Bulletin 1986)(PDFファイル) Effect of pH on Gradient Elution of Proteins on Two Types of CHT Ceramic Hydroxyapatite |
CHT アプリケーションガイド(Bulletin 6086)(PDFファイル) Ceramic Hydroxyapatite Application Guide for Process Development and Scale-Up |
マルチモードクロマトグラフィー担体の製品紹介 |
ミックスモード担体の製品紹介 |
CHT Ceramic Hydroxyapatite Type I Media |