免疫表現型解析
(Immunophenotyping)

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フローサイトメトリーの最も一般的な用途は、細胞マーカーの同定、特に免疫系や免疫表現型解析(Immunophenotyping)です。 免疫系の多数の細胞サブセットを検出することが求められており、そのことが、マルチカラーフローサイトメトリーの普及につながりました。

ル(homing profile)や、活性化状態およびサイトカイン放出を1つのパネルに用いるような複雑な同定手法を用います。結果として、細胞の表面および細胞内染色の組み合わせた実験プロトコールが多く使われます。 免疫表現型解析は、基礎研究に加え、現在、臨床診断においても、疾患を診断したり、治療予後をモニタして評価するために日常的に使用されています。

表面染色を用いた免疫表現型解析の簡単な例を以下に示しました。シンプルな4色染色パネルは、コンペンセーションを必要としないマーカーにより、ヒト末梢血中の4つの主要な細胞サブセットを同定するのに便利です。 より複雑なパネルを用いることで、T細胞のサブセットの情報が得られます。 例えば、ヘルパーT細胞(Th)、細胞傷害性T細胞(CTL)および制御性T細胞(Treg)には、CD4、CD8、CD25、CD127といったマーカーを使います。また、それらが、ナイーブであるのか、メモリーまたは活性化されているかは、CD45RA、CD45L、CD62L、CD69およびHLA-DRなどのマーカー、あるいは、IFN-γ、IL-2、IL-17、IL-9などのサイトカインプロファイルを使います。どのようにして18色のパネルを構築するのか、マルチカラーパネル構築については、第6章を参照してください。