微小粒子の検出
(Small particle detection)

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フローサイトメトリーによって検出され分析されている微小粒子の種類が増えています。 微小粒子としては、直径2~3μmの血小板や0.3μm~5μmの範囲の細菌および細胞外小胞(Extravesicles: EVs)があります。細胞外小胞は、さらにアポトーシス小体(Apoptotic bodies)、微小胞体(Microvesicles: MV)およびエクソソーム(Exosome)に分けられますが、最も小さいのはエクソソームで 直径がわずか20~100nmです。エクソソームは、大部分が細胞骨格タンパク質、mRNA、マイクロRNAおよびアクチン受容体からなります。それらは細胞間でタンパク質やRNAを輸送することにより、細胞のクロストークや機能制御に重要であると考えられています。 粒子は前方散乱および側方散乱によって同定することができますが、スケールを対数にすることで、同定と分離が良くなります。

光の散乱は以下に挙げるような要因に依存するため、微小粒子の検出は困難であることがあります。粒子の直径、照射光の波長(波長よりも小さい粒子を検出することは困難です)、粒子屈折率、収集角度、およびレーザーの強度。 こうしたことを考慮して、前方散乱用の追加のPMT検出器を備え、また、データ収集のためのトリガーを蛍光シグナルまたは複数の蛍光マーカーに変更したフローサイトメーター(例えばバイオ・ラッド社のZE5™ Cell Analyzer)が開発されています。

別の方法 (Alternative methods)

より短い光波長を使うといった検出方法では、一般に散乱が増えてしまい、例えば、抗体ビーズ粒子はサイズが大きく検出されます。 シース液をろ過し、慎重に閾値レベルを設定することによってノイズを低減するように注意する必要があります。 あらゆるサイトメトリー実験と同様、良好な結果を得るためには、サンプル調製は重要です。 しかしながら、粒子のサイズが減少するにつれて、利用可能な抗原も減少して感度または分解能が低下することに注意する必要があります。