このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
次の実験のためにサンプル溶液中にある有機物や無機物を除去しなければならない場合があります。その多くは、分子サイズの違いを利用した脱塩カラムで低分子の有機物や塩などの無機物を除去しています。しかし、糖鎖、ペプチドなど低分子化合物では、除去したい有機物や無機物と同じようにゲルろ過樹脂に浸潤するため、脱塩カラムでは分離することができません。
他方、低分子化合物向けイオン交換樹脂は脱塩カラムの原理と異なり、不要な有機物や無機物の電荷を利用して樹脂に吸着することでそれらを除去できます。そのため、低分子化合物にはイオン交換樹脂が重宝することがあります。
技術資料(Bulletin 6904)は、様々な種類がある低分子化合物向けイオン交換樹脂の選び方についてご紹介しています。
イオン交換樹脂には正の電荷をもつ物質が結合する陽イオン交換樹脂と負の電荷をもつ物質が結合する陰イオン交換樹脂の二種類あります。不要な物質の電荷に適したイオン交換樹脂を選択します(図1)。
イオン交換樹脂では、広いpH 領域で官能基に電荷をもつ強イオン交換樹脂、特定のpH 領域で官能基の電荷状態を維持する弱イオン交換樹脂に分類されます。そのため、溶媒やサンプル溶液のpHを確認し、適切なイオン交換樹脂を選択します。
架橋度が高くなるにつれて、樹脂内部に浸透する分子量(排除限界)が小さくなるため、より低分子に適しています(表1)。架橋度は吸着させる分子よりも大きい排除限界のものを選択します。
粒径は分解能、サンプル処理容量に大きく影響します。用途に応じて粒径を選択します。
低分子化合物向けイオン交換樹脂はメッシュサイズで粒径を表しています(表2)。
※当該製品は研究用試薬です。臨床目的には使用できません。
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