このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

 これまでゲルろ過クロマトグラフィーのENrichカラム、セラミックハイドロキシアパタイトのCHTカラムなどタンパク質精製用カラムを紹介していましたが、今回は、医薬品、食品に含まれている糖、糖アルコールの定量やバイオ燃料・バイオプラスチックの生産過程で産出するアルコールや有機酸等の定量に用いられるAminex(アミネックス)カラムを紹介します。  

強陽イオン交換樹脂に水素イオンを付加したAminex HPX-87Hカラムは、イオン排除クロマトグラフィーとしてアルコール、有機酸等の分離に適しています。また、強陽イオン交換樹脂にカルシウムや鉛など金属イオンを付加したカラム (Aminex HPX-87C, Aminex HPX-87Pなど) では、金属イオンによる配位性や担体による疎水性相互作用と分子ふるいの作用によって、糖類、糖アルコールなどを分離します。  

今回紹介する技術資料 (Bulletin 6601) では、Aminex HPX-87Hカラムを装着したNGCクロマトグラフィーシステムで醸造工程が異なる4種類のワインの果糖、乳酸、エタノールを定量しました (Fig. 3)。このカラムによる定量法は酵素法による定量とほぼ同等の結果が得られました (Table 3)。この手法は同時に複数物質を定量できるため、発酵やバイオ燃料関連物質のモニターなどに幅広く活用することができます。

ClickしてPDFを表示  Primary fermentation(一次発酵) :
  酵母によるアルコール発酵
Secondary fermentation(二次発酵):
  一次発酵後にリンゴ酸が乳酸と炭酸に分解される発酵。
  マイルドな味になる
Stuck fermentation(発酵停止):
  すべての糖分がアルコールに変換される前に、発酵を停止させる。
  甘口な味わいになる。
Complete fermentation(完全発酵):
  糖分がなくなるまで完全に発酵。
  辛口な味わいになる。