このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
サンプルに含まれる塩の除去やバッファー置換が必要なことがあります。手法として透析、限外ろ過などがありますが、簡便な脱塩カラムを選択することが多いのではないでしょうか。 今回ご紹介する技術資料は、ゲルろ過樹脂による脱塩カラムの使用上のポイントについてご紹介します。
脱塩カラムでは、ゲルろ過樹脂内部に浸透しない大きさの分子、すなわち、ゲルろ過樹脂の排除限界以上の物質を回収します。
バイオ・ラッドの脱塩カラム (エコノパック10DGカラムなど) に充填しているBio-Gel P6 DGの排除限界は、およそ分子量6,000のため、分子量6,000以上のものは空隙体積(ボイドボリューム)に溶出します。
一方、塩やバッファーなどの分子量6,000未満の低分子は樹脂内部を通るため、空隙体積よりも遅れて溶出します。この溶出位置の違いを利用して、塩やバッファーなど低分子を分離します。 そのため、空隙体積は樹脂体積に依存するため、サンプル添加容量は必ず充填した樹脂体積の25%未満にします。