このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

サンプルに含まれる塩の除去やバッファー置換が必要なことがあります。手法として透析、限外ろ過などがありますが、簡便な脱塩カラムを選択することが多いのではないでしょうか。 今回ご紹介する技術資料は、ゲルろ過樹脂による脱塩カラムの使用上のポイントについてご紹介します。

脱塩カラムでは、ゲルろ過樹脂内部に浸透しない大きさの分子、すなわち、ゲルろ過樹脂の排除限界以上の物質を回収します。

バイオ・ラッドの脱塩カラム (エコノパック10DGカラムなど) に充填しているBio-Gel P6 DGの排除限界は、およそ分子量6,000のため、分子量6,000以上のものは空隙体積(ボイドボリューム)に溶出します。
一方、塩やバッファーなどの分子量6,000未満の低分子は樹脂内部を通るため、空隙体積よりも遅れて溶出します。この溶出位置の違いを利用して、塩やバッファーなど低分子を分離します。 そのため、空隙体積は樹脂体積に依存するため、サンプル添加容量は必ず充填した樹脂体積の25%未満にします。

サンプル添加容量と樹脂体積比の違いによる分離の違い

A. サンプル 1.0 ml (樹脂体積 20%), B. サンプル1.5 ml (樹脂体積 30%), C. サンプル2.0 ml (樹脂体積 40%)

サンプル添加容量を樹脂体積の25%以上にすると、収率の低下ならびに低分子の混入が生じます。