このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
2009年に新型インフルエンザ(A/H1N1)が発生し、急速な勢いで世界中に流行したことは記憶に新しいと思います。このとき最も必要とされたのは、より短時間で確実に新型インフルエンザウイルス(A/H1N1)と他の型を見分けることでした。これを可能にしたのが、シンガポールの研究所で確立された、マルチプレックスインフルエンザ同定パネルで、新型インフルエンザウイルス(A/H1N1)とそのサブタイプであるH1(A型)、H3(H3N2)、B(B型)のウイルスをより短時間で確実に同定することができるものでした。
このとき使用されたのが温度グラジェント機能つきのCFX96リアルタイムPCR解析システムと iScript One-Step RT-PCR Kit for Probesです。4つのターゲットで同時に最適条件を検討することができ、その条件をもとにFast qPCRを行うことにより、通常必要であった検出時間が128分から73分に、約50分も短縮されました。
より迅速な検出系の確立と、確実な同定が必要な状況において、非常に有用なシステムといえます。