このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
大腸菌に組換えタンパク質を発現させる際、封入体(Inclusion body)を形成してタンパク質が大腸菌内に蓄積してしまうことがあります。このようなタンパク質の精製には、変性剤を加えてタンパク質を可溶化させて精製後に高次構造を再形成させる(Refolding)方法があります。
ここで紹介する技術資料(Technical note 5870)では、α-hemolysin(α-HA) (Fig.1)のHis-Tag精製を、Profiniaシステムによってワンステップでタンパク質精製からタンパク質のRefoldingまでを行います。Profiniaシステムの特長でもある、使用するバッファーをすべて置き(Fig.2)、アフィニティカラムから脱塩カラムに連続して通すことで(Fig.3)、溶出と脱塩をワンステップで行うことができます。IMACカラムを洗浄するバッファーから段階的にUreaの濃度を下げることでRefoldingを行います。
一般的なRefoldingの方法である希釈法では、全行程に約60時間かかりますが、今回Profiniaシステムを使用することによって、約90分で行うことが示されました(Fig.4)。