このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
今回ご紹介する記事は、デジタルPCR技術の精度管理や品質保証に関わる機関での成果や今後の展望について解説しています。
DNA分子のカウントを定量原理とするデジタルPCRは、qPCRよりも精度と正確さが向上しており、低頻度なアレルバリアントや正確なCNVの検出を可能にするという認識が浸透し、デジタルPCRに関連する多くの文献でも、他のPCR技術に対する主な利点として「標準物質なしの絶対定量」をその導入に挙げられるようにもなりました。
デジタルPCRが独立した測定技術として確立されるにつれ、NGSにおけるSI(国際単位系)トレーサブルな直交バリデーション技術としての価値も認識されるようになりました。このことはNGSパネルによる臨床検査の品質に影響を与えることになります。このようにこれから重要になってくる点は、より正確に定量できることが、標準物質製造元や技能試験/外部精度管理機関、ひいては病気を診断している臨床検査機関にどのように直接的な影響を与えるかが理解されていくことにあります。
英国のNational Institite for Biological Standards and Controls(NIBSC)は、世界保健機関(WHO)国際標準物質の多くを含む国際標準物質の製造と流通に大きな役割を担っていますが、ゲノム標準物質の生産におけるバリデーションの主要技術として既にデジタルPCRが利用されています。その他にも幾つかの国立の試験所や校正機関でデジタルPCRの特性が評価されており、その技術特性の成果としてデジタルPCRは、分子測定による核酸一次標準物質のSIトレーサブルな定量化のための一次標準測定手順として認められています(ISO 20395: 2019, ISO 17511: 2020)。そしてこれがより広く浸透して行くことで、ルーチンラボにおいても一次参照測定手順として活用されるための扉が開かれることになるでしょう。
今回ご紹介した記事の詳細はこちらからご覧いただけます。
Counting DNA Molecule by Molecule |
Absolute quantification with droplet digital PCR |
QX200 Droplet Digital PCR システム
製品紹介: QX200 Droplet Digital PCR システム
※当該製品は研究用機器であり、医療機器ではありません。 |
Droplet Digital PCR 論文データベース |
日本国内のユーザー様からの論文報告のご紹介 |
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