このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

 バイオ・ラッドのクロマトグラフィーには、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)、ミックスモードクロマトグラフィーなどがあり、さらに、各クロマトグラフィー内でも数種類の担体があるため、担体の選択に関する問い合わせは多く寄せられます。今回は一般的な担体の選び方についてご案内します。  

担体の選択は、試料の状態(容量や純度など)に大きく影響します。
初期段階では、分画や濃縮目的として使用しており、試料の容量に制限がなく、かつ、濃縮効果が得られるクロマトグラフィーが好まれます。したがって、粒子径が80~120μmの大きさで、結合容量が大きい低圧用のイオン交換クロマトグラフィー担体やアフィニティークロマトグラフィー担体がよく使用されています。イオン交換担体では高結合容量のNuviaシリーズ、UNOsphereシリーズが適しています。  

中間精製では、最終精製に向けて純度と収率のバランスを鑑みながら、さまざまな種類のクロマトグラフィーを使います。この場合、初期精製よりも粒子径が40~85μmのやや小さく高い分離能を示すMacro-Prepシリーズをお勧めします。  

最終精製では、さらに純度を高めるために高分離能のクロマトグラフィーが必要な場合があります。担体の粒子径が小さいほど、分離能はよくなります。しかし、粒子径が10μm以下の担体では送液に高い圧力が必要なため、中・高圧用クロマトグラフィー装置が必要になります。中・高圧クロマトグラフィー装置がある場合では、高分解能クロマトグラフィーのENrichシリーズやUNOシリーズを使用することができます。  

他方、エンドトキシン除去や抗体の凝集体を除去する場合は、ENrichシリーズ、UNOシリーズ以外に低圧用のミックスモードクロマトグラフィー担体のCHT、 Nuvia cPrimeを使用することができます。

カラムセレクションガイド
精製過程におけるカラム担体の選択