このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

バイオ・ラッドの ZE5™ Cell Analyzer は、多数の検出チャネルや多機能なサンプルローダーなどを備え、スループットの高い測定が可能な革新的フローサイトメーターです。355 nm から 640 nm までの最大5本の異軸レーザーを備えます。また検出系としては、FSC、SSC、および5レーザーモデルでは微小粒子検出(第二FSC、405 nm)チャネルと、最大27個の蛍光検出チャネルを備えます。
今回ご紹介する資料では、データの安定性を保ったまま高速測定が可能なZE5の基本性能や、405 nm レーザーによる微小粒子検出、独自の Flying Collar 洗浄機構によるCarryover の少ない測定結果などについて解説しています。

データ取得速度

ZE5™では、最大 3.5 μl/秒でサンプルを送液可能です。この高流速に加え、細胞がレーザービームの前を通過する時間を短縮することで、信号のパルス幅を狭めています。これらの相乗効果としてデータ取得速度が速くなり、他メーカー製の機種と比較してデータ取得速度が最大で2倍以上に向上します(Figure 1)。

データの安定性

単にデータ取得速度が向上しただけでなく、ZE5™では低ノイズの電子回路を採用することにより、速いデータ取得速度においても安定した、再現性の高いデータが取得できます。Figure 7 では、0.5 – 2.5 μl/秒 の流速範囲において、一貫性のあるデータが取得できることを示しています。

405 nm レーザーによる微小粒子検出

405 nm レーザーの前方散乱光(第二FSC)を用いることにより、直径 250 nm 以下のエクソソームの検出も可能です。Figure 5 左端の図では、まず直径 0.22 μm から 1.35 μm までのビーズを用いて小粒子が分離可能な検出器の設定をしています。さらに、第二FSC (405 nm)/SSC (488 nm) のプロット上でエクソソームにGateをかけ、CD63-FITC/CD81-APC の2色の標識によって分析した例を示しています。

Flying Collar 洗浄機構によるCarryover の抑制

ZE5™では、独自の Flying Collar 洗浄機構により、次のサンプルに移る前にプローブを自動洗浄できます。Figure 6 では、この自動洗浄による Carryover の抑制効果を示しています。

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