このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

エクソソームは、タンパク質やRNA, DNAを含む 細胞外小胞(EV; extracellular vesicle)の一種です。健常や疾患に関わらず、細胞間のコミュニケーションに関わっています。特に、腫瘍の形成や転移、薬物耐性など癌に関連する多くのプロセスにも関与していること(Guoら、2017)から、有用なバイオマーカーを含む可能性があり、疾患研究における重要な関心領域となっています。

ただし、エクソソームはサイズが極めて小さいために、それらを研究するための方法が限定されてしまっています。フローサイトメトリーを用いて、エクソソームを解析する場合には、電気的なノイズの除去や検出電圧の調整、シース液の精製などが必要となるため、磁気ビーズを使用して捕捉および検出を行うのが最も一般的です。ビーズを使うことでサイズが大きくなり、多くのフローサイトメーターで検出ができます。

今回紹介する技術資料では、ZE5™ Cell Analyzerのもつ微粒子検出能力(405 nmレーザーの前方散乱[第二FSC])を用いてエクソソームを直接検出できるかどうかを調べています。

資料では、乳癌細胞株であるMCF-7細胞の培養上清から精製したエクソソームを用いて、エクソソームに一般的な表面マーカーであるCD63およびCD81、さらに小胞内在性マーカーであるALIXおよびTSG101の存在を調べています。

ZE5 Cell Analyzerによる、エクソソーム表面マーカーの直接解析

精製したエクソソームを蛍光標識した表面マーカーで染色し、ZE5 Cell Analyzerで解析をした。
図(大):SPD(405nm FSC)、488nmSSCにより、エクソソームを含むRegionをゲーティングした。 
図(A-D):表面マーカーによる解析。
A: 未染色、
B:CD63-FITC単一染色、
C:CD81-APC単一染色、
D:CD63-FITC,CD81-APC二重染色。

SPD: small particle detection

ZE5 Cell Analyzerによる、エクソソーム内在性マーカーの直接解析

精製したエクソソームを、細胞透過処理をしたのち、蛍光標識した内在性マーカーで染色し、ZE5 Cell Analyzerで解析をした。A: ALIX-FITC、 B:TSG101-PE, 緑色は非染色コントロール。

資料では、SureBeads(磁気ビーズ)を用いて、エクソソームを捕獲し、表面マーカーを解析した結果も示しています。

ZE5 Cell analyzerによるエクソソームの直接解析には、SPD機能のみならず、低ノイズの電子回路機構やシースフィルター機構も寄与しており、市販の標準サイズビーズを用いることにより簡単に機器のセットアップを行うことができます。 今回の資料で紹介した、エクソソームのような微粒子をビーズ捕捉せずに、直接解析できる能力は、さまざまな細胞外小胞にも解析対象を広げることが可能であることを意味しています。

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