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細胞分裂の活発さを正確に測定することは、実験生物学の基礎のひとつであり、細胞の健康状態の評価にも不可欠です。細胞分裂を測定する際には、主に以下のような方法が用いられます。

このうち、今回ご紹介する記事ではBrdUを用いて細胞分裂の評価実験を行う方法について解説しています。

BrdUはDNAの残基のひとつであるチミジンの類似体です。チミンの5位の炭素に結合するメチル基(下図 左、青字)が、臭素(下図 右、緑字)に置換された類似体がBrdUです。

BrdU

BrdUは、DNA複製の際にチミジンの代わりにDNAに取り込まれます。

BrdU

DNAに取り込まれたBrdUは長期間保持されるため、細胞系統の追跡や細胞の生存率の評価などに使用されます。 取り込まれたBrdUは抗体によって検出します。バイオ・ラッドで販売中の抗BrdU抗体は、下記のリンクよりご覧いただけます。

本記事では、このようなBrdUを用いる実験について、次の各項目を解説しています。

  1. BrdU、および抗BrdU抗体の濃度と反応時間の最適化
  2. コントロール実験
    • 2.1 ネガティブコントロール(BrdUの溶媒のみで処理した細胞など)
    • 2.2 二次抗体のみを反応させたサンプル
    • 2.3 一次抗体の代わりにアイソタイプコントロール抗体を反応させたサンプル
    • 2.4 ポジティブコントロールと、対比染色
  3. 抗BrdU抗体の選択方法
  4. その他の実験条件(洗浄、ブロッキング、DNAの変性などの各ステップ)

以上、BrdUを用いる実験を計画されている皆様のご参考になれば幸いです。

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