このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

一般にウエスタンブロッティングの検出には、可視発色法や化学発光による検出が行われています。特に発現量の少ないターゲットの検出を目的とする場合には、高感度(fgオーダー)な化学発光法がよく用いられます。 しかし、最近はテクノロジーの進歩にともなって、蛍光検出法(二次抗体に蛍光色素を直接標識したものを用いる)も行われるようになってきました。蛍光検出には次のような利点がありますので、必ずしも高感度な検出を必要としない場合には、蛍光検出法も選択肢の一つに検討してみてはいかがでしょうか?

  • 化学発光よりもダイナミックレンジが広く、定量の直線性も高い
  • 化学発光のように、酵素反応を介した検出ではないのでシグナルが安定している (いったん検出したメンブレンを保存しておき、後日検出することも可能)
  • 複数の蛍光標識抗体を用いて、複数のターゲットを同時に検出可能

今回取り上げた資料は、今まで発色法や化学発光による検出を行ってきた方が、蛍光ウエスタンを始めるためのガイドです。条件検討のポイント、トラブルシューティング例も記載されていますので、これから蛍光検出を始められる方は必読です!

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図:条件検討の一例

抗体の希釈倍率を検討した結果の一例です。低蛍光PVDFメンブレン(Immun-Blot LF PVDF)に転写した後、様々な希釈倍率の抗体で処理して、S/N比のよい条件を調べています。この場合は、500倍希釈が最も高いS/N比となりました

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