このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

リアルタイムPCR(qPCR)はパワフルな実験ツールですが、しっかりとバリデーションを行ったプライマーアッセイを用いないと間違った結果が導き出されてしまうリスクがあります。そのため2009年に提案されているMIQE(Minimum Information for publication of Quantitative real-time PCR Experiments)ガイドラインにはアッセイの設計での注意するポイントやウェット実験でPCR効率や特異性をバリデーションすることが記載されています。

既存の市販品のアッセイは通常コンピュータによる設計を行っていますが、ウェット実験での保証をしていないものがあります。そのため市販品のアッセイを購入したとしても、ユーザーが最終的には本実験の前にバリデーションを行う必要があります。そこでバイオ・ラッドでは貴重な時間とリソースをバリデーションに費やすことがないように、あらかじめウェットでのバリデーションを行ったアッセイを提供しています。

PrimePCR™アッセイはまずMIQEガイドラインに沿ったデザインを行っています。

  1. プライマーのみで高い配列特異性
  2. qPCRの標準的なPCR条件に適合
  3. プライマーのアニール部分は二次構造を避けている
  4. ターゲット部分はSNPを避けている
  5. できるだけ多くのトランスクリプトアイソフォームを検出
  6. 可能な限りイントロンを挟むプライマーアッセイ
  7. 最新の配列データベースを利用

ウェットでのバリデーションを行い、下図のようにPCR効率が90-110%以内にすべて入っており、ほとんどのアッセイが95-105%と非常に理論値(100%)に近いことが分かります。

図 PrimePCR™アッセイのPCR増幅効率分布グラフ

PrimePCR™アッセイ(対象生物種:ヒト、マウス、ラット)は厳しいガイドラインに沿ったデザインが行われており、完全なウェットでのバリデーションをパスしたものだけを販売しています。バリデーションデータはWebサイトから入手ができます。バリデーション済みのアッセイを用いて、実験スピードを向上させましょう。