このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

パイロトーシス(Pyroptosis)は、1992年にZychlinskyらによってアポトーシスとして最初に記載された「制御された細胞死(Regulated Cell Death : RCD)」の一種であり、炎症誘導性の細胞死であることから、2001年にCooksonとBrennanによってパイロトーシスと命名されました。
パイロトーシスは、自然免疫系における細胞外および細胞内恒常性の乱れによって引き起こされると言われています。

炎症誘導性であるパイロトーシスの性質は、アポトーシスやネクロトーシスと同様、制御された細胞死として区別されます。すべての細胞死メカニズムの中で最も免疫応答を惹起しやすく、細胞の膨潤、クロマチンの凝縮、および細胞膜のバリア機能の喪失などの明確な形態学的特徴を有します。
このミニレビューでは、制御された細胞死のパイロトーシスが果たす役割と、その機序について紹介されています。

パイロトーシスの概要
 pyrotosis

シグナルの開始から、インフラマソームの活性化、カスパーゼ-1の活性化、および最終的にガスダーミンDが細胞に穴を空けて細胞死を引き起こすまでの経路の概略を図示した。

パイロトーシスに関連したパターン認識受容体(Pattern Recognition Receptors, PRR)およびインフラマソームに関する詳細な情報は、Jorgensen and Miao(2015)によって概説されています。

ヒトカスパーゼ-1、カスパーゼ-4、およびカスパーゼ-5は、ウエスタンブロットやパラフィン切片で検出できますが、活性カスパーゼ-1は、FLICAキットを使用して迅速かつ容易に検出することが可能です。

Jurkat細胞におけるパイロトーシスの検出
 pyrotosis

Jurkat細胞を10μMのニゲリシンで処理後、Pyroptosis 660 Caspase-1(カタログ番号ICT9158)で2時間染色した。データはZE5 Cell Analyzerで分析。パイロトーシスの進展は、660nm 遠赤色蛍光の増加によって検出される活性化カスパーゼ-1の増加によって確認することができる。

このページの情報は役に立ちましたか?
お探しの情報が見つからなかった場合やご意見など、下記までお問い合わせください。

バイオ・ラッド テックコール
life_ps_jp@bio-rad.com,
03-6404-0331(平日9:00-17:00)