このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
モノクローナル抗体(mAb)は、精製過程で凝集体を生成しやすく、抗体医薬などの製造工程では、凝集体は不純物として取り除く必要があります。
本記事では、カラム上で生成される凝集体が、陽イオン交換担体の種類によって違いがみられるか比較しています。
本記事では、様々な陽イオン交換担体であるモノクローナル抗体を精製した時のクロマトグラムを示して比較しています。
どの担体も、モノクローナル抗体を吸着後すぐに(Hold time 0min, 破線)溶出すると単一のピークで検出されていますが、吸着した状態で1000分間経った後に(青線)溶出するとNuvia™ HR-S(図G)以外の担体ではピークが2つに分かれます。
溶出時間の遅い2つ目のピークは、論文にて抗体単体と凝集体などの混合物であることや、凝集体はカラム上で少しずつ形成されることが分かっています。
したがって、Nuvia™ HR-Sは凝集体が10%以下となり、カラム上で凝集体を作りにくく、単体のモノクローナル抗体を高い収率で回収することができます。
本記事ではそのほか、別のモノクローナル抗体を用いて溶出した分子の流体力学的半径の測定結果や溶出パターンを示し、担体の材質や粒径などの特徴に関して言及しています。
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