このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

リアルタイムPCR 法は、遺伝子発現解析の他に、SNPsジェノタイピング、遺伝子組換え食品の検査、ウイルスや病原菌の検出などさまざまな用途に使用されています。様々なリアルタイムPCR装置が販売されていますが、ウェルごとの光路差の補正の目的で、反応系に含まれるパッシブリファレンス色素で蛍光シグナルの補正が必要な装置もあります。そのような補正が必要な装置において、575nmで励起する装置 (Low-ROX型) と488nmで励起する装置 (High-ROX型) があり(表参照)、装置に適したROX濃度で調製する必要があります。

Universal 試薬シリーズでは、ROXや長いストークスシフトを有する蛍光色素をブレンドすることで、Low-ROX型装置、High-ROX型装置のどちらでも蛍光シグナルの補正ができます(下図)。もちろん、パッシブリファレンス色素による補正が必要でないリアルタイムPCR装置にも使用できます。Universal 試薬シリーズであれば、どのリアルタイムPCR装置を使用しても、パッシブリファレンス色素濃度に悩まず最適な定量結果を得ることができます。

ちなみにバイオ・ラッドのリアルタイムPCR装置のCFXシリーズは光路差がないスキャン方式を採用しているため、パッシブリファレンス色素補正は必要ありません。

各社リアルタイムPCR装置におけるパッシブリファレンス色素補正
  ROX Requirement
Low High Not Required
Applied Biosystems (Thermo Fisher) 7500
7500 Fast
ViiA 7
QuantStudio Systems
7000
7300
7700
7900HT
7900HT Fast
StepOne
StepOnePlus
 
QIAGEN     Rotor-Gene 3000
Rotor-Gene 6000
Rotor-Gene Q
Roche     LightCycler 480, 96
LightCycler 1.0, 1.5, 2.0
Bio-Rad     CFX96
CFX96 Touch
CFX96 Touch Deep Well
CFX384
CFX384 Touch
CFX Connect
iQ/iQ5/MyiQ/MyiQ2
MiniOpticon/DNA Engine Opticon I and II
Stratagene Mx4000
Mx3000P
Mx3005P
   
Eppendorf     Mastercycler ep realplex 2
Mastercycler ep realplex 4
ROX色素ならびにUniversal試薬の蛍光スペクトル(破線)と励起スペクトル(実線)

Universal試薬は488 nmで励起しても長いストークスシフトを有する蛍光色素で十分な蛍光強度がえられます。

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